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③すぐに使える! IPO規程7選 コンプライアンス規程

1.「コンプライアンス規程」の作成および運用上のポイント

 

・コンプライアンス活動実績が求められる。

・リスク・コンプライアンス委員会(名称は任意)を設置、開催する。

・コンプライアンス研修は、原則、年1回開催する。

 

 

2.「コンプライアンス規程」のサンプル

 

下記規程サンプルの部門名、責任者は一般的な名称にしてます。

当規程サンプル以外の規程が必要な方は、こちら「IPOのための社内規程集」をご参照ください。

 

 


 

 

コンプライアンス規程

 

第1章 総 則

 

第1条(目的)

 本規程は、当社のコンプライアンス体制、コンプライアンス運営等に係る基準を示すことにより、当社の役員および従業員等(正社員、嘱託社員、パートタイム社員)が、企業の社会的責任を深く自覚し、日常の業務遂行において関係法令を遵守し、社会倫理に適合した行動を実践することを目的とする。

 

第2条(コンプライアンスの定義)

 当社におけるコンプライアンスとは、次の各号に示す規範に適合した行動を実践することをいう。

 (1) 関係法令

 (2) 規程および業務取扱細則

 (3) 経営理念および行動規範

 

第3条(行動規範)

 役員および従業員等による事業活動におけるコンプライアンス実践の規準として「行動規範」を定めるものとし、役員および従業員等は、この規準を理解し遵守する。

2.「行動規範」の制定および重要な改定は、取締役会の決議により行う。

 

第2章 コンプライアンス体制

 

第4条(コンプライアンス体制)

 当社のコンプライアンス体制および組織は、別紙のとおりとする。

 

第5条(取締役会)

 次の各号に定める事項は、取締役会の承認事項とする。

 (1) コンプライアンス体制・組織に関する重要事項の決定

 (2) 本規程および「行動規範」の制定および重要な改定

 (3) 「コンプライアンス年度計画」の承認

2.次の各号に定める事項は、取締役会への報告事項とする。

 (1) 「コンプライアンス年度計画」の進捗状況の報告

 (2) 重大なコンプライアンス違反の発生および事後対策の状況

 

第6条(リスク・コンプライアンス委員会)

 重要なコンプライアンス課題に関する審議、承認、決定等の諸活動を行うため、リスク・コンプライアンス委員会を設置する。リスク・コンプライアンス委員会の具体的な構成、役割等は、「リスク・コンプライアンス委員会細則」に定める。

 

第7条(リスク・コンプライアンス委員会事務局)

 コンプライアンスに関する事務を統括する組織として、リスク・コンプライアンス委員会事務局を設置する。リスク・コンプライアンス委員会事務局の具体的な構成、役割等は、「リスク・コンプライアンス委員会細則」に定める。

 

第8条(リスク・コンプライアンス担当者)

 各本部および関係会社におけるコンプライアンスを推進する者として、リスク・コンプライアンス担当者を選任する。コンプライアンス担当者の役割等は、「リスク・コンプライアンス委員会細則」に定める。

 

第3章 コンプライアンスの実施

 

第9条(コンプライアンス年度計画)

 コンプライアンス体制を実現するための具体的かつ全社的な実践計画として、「コンプライアンス年度計画」を策定する。

2.「コンプライアンス年度計画」は、リスク・コンプライアンス委員会事務局が原案を作成し、リスク・コンプライアンス委員会の審議を経て、取締役会で承認する。

 

第10条(コンプライアンス教育・研修)

 役員および従業員等は、会社が実施するコンプライアンスに関する教育・研修を受講しなければならない。

2.リスク・コンプライアンス委員会およびリスク・コンプライアンス委員会事務局は、全社的な見地から、適切な時期にコンプライアンスに関する教育・研修を実施するものとする。

 

第11条(ハンドブックの作成、配布)

 リスク・コンプライアンス委員会およびリスク・コンプライアンス委員会事務局は、コンプライアンスに関するハンドブックを作成し、役員および従業員等に配布する。また、必要に応じこれを改訂する。

 

第12条(誓約書の提出)

 役員および従業員等は、行動規範の配布時に行動規範を遵守する意思を書面で確認するため、誓約書を会社に提出しなければならない。

 

第13条(内部通報制度)

 役員および従業員等が直接リスク・コンプライアンス委員会に対し、コンプライアンス違反等の通報、相談ができる制度を設ける。

2.通報、相談の窓口には、リスク・コンプライアンス委員会事務局、外部専門家(弁護士)があたる。

3.内部通報制度の運用に当っては、通報者への報復を禁止するとともに通報者の身元の秘匿に最大限の配慮をしなければならない。

4.リスク・コンプライアンス委員会は、内部通報制度の維持、運用が適切に行われるよう、これを監督する。

5.内部通報制度の利用方法等の詳細は、リスク・コンプライアンス委員会事務局が別途定める。

 

第4章 コンプライアンス違反に対する措置

 

第14条(コンプライアンス違反の調査および改善要請)

 リスク・コンプライアンス委員会は、コンプライアンスに違反する疑いがある事項について、関係部門の協力を得て、調査できる。

2.リスク・コンプライアンス委員会は、コンプライアンスに違反する事項があり、その改善を要すると認められる場合、違反者およびその所属部門の責任者に対し、委員会の決議に基づき改善を要請するなどの適切な措置をとる。

 

第15条(再発防止策の実施)

 各本部長は、コンプライアンス違反があった場合、直ちにリスク・コンプライアンス委員会に報告するとともに、再発防止策を策定し、これを実施する。

 

第16条(違反行為に対する制裁)

 役員または従業員等がコンプライアンス違反を行った場合、事案の軽重に応じて就業規則に基づいた懲戒等の措置をとる。

 

附 則 1.本規程の改廃は、規程管理規程による。

    2.本規程は、●年●月●日より施行する。

    3.改定   ●年●月●日

文:内藤克之

IPOコンサルタント:内藤克之

内藤克之:プロフィール

IPOコンサルタント。株式会社ドウシシャ(東証プライム市場)勤務、上場準備、経理、財務に従事。上場準備支援の東洋ビジネスコンサルティング株式会社でマネージャーとして数十社の支援を行う。その後、窪田税理士事務所にてIPOコンサルティングに従事、当社設立に参画。支援先には、ベンチャー企業から大企業まであり。今までに延べ100社以上のコンサルティングを行う。IPO支援以外に上場企業の開示実務支援も行っている。

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