【有報】2026年3月期に係る有価証券報告書の主な改正ポイント

 2025年11月26日に金融庁より公表された「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正(案)のうち、2026年3月期に係る有価証券報告書に影響がある主な内容は、人的資本開示に関する制度が見直され、有価証券報告書において、以下の事項が新たに開示を求められています。

 

1.従業員の状況等について

 

 「第1 企業の概況 5従業員の状況等」が「第4 提出会社の状況 5従業員の状況等(2)」に移動となり、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等」に「(1)人材戦略に関する基本方針等」が新設されます。

 

 

 

 

<新設>

 

 「第4提出会社の状況 5従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等」は、以下の2つの記載が求められています。

  ・連結会社の経営方針・経営戦略と関連付けた人材戦略を具体的に記載する。

  ・連結会社の従業員の給与等の額及び内容の決定方針について、具体的に記載する。

 

<拡充>

 

 「第4提出会社の状況 5従業員の状況等(2)従業員の状況」は、以下のとおり記載が拡充されています。

 

① 提出会社の事業年度末の従業員について、「従業員数」「平均年齢」「平均勤続年数」「平均年間給与」に加えて、

「平均年間給与の対事業年度比増減率」の記載が求められます。

 

② 提出会社が主として子会社の経営管理を行う会社(持株会社)である場合には、国内の連結会社のうち、従業員数がもっとも多い会社(以下、「最大人員会社」)について、上記①と同様の記載が求められます。

なお。当事業年度における最大人員会社の従業員数が連結会社の従業員数の過半数を超えない場合は、最大人員会社に加え、次に従業員数が多い国内の連結会社についても記載が求められます。

 

③ 使用人等のみを対象として新株予約権を付与する場合は、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等(2)従業員の状況」に所定の事項を記載する、または「第4提出会社の状況 1株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」に所定の事項を記載している旨を記載することが求められています。

 

④ 使用人等のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入している場合は、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等(2)従業員の状況」に所定の事項を記載する、または「第4提出会社の状況 1株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」に所定の事項を記載している旨を記載することが求められています。

 

 

2.総会前開示への対応

 

 有価証券報告書について、総会前開示を行う場合は、定時株主総会またはその直後に開催される取締役会の決議事項の内容(剰余金の配当に関するものを除く)を有価証券報告書に記載することが原則不要となりました。

 具体的には「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の(1)コーポレート・ガバナンスの概況、 (2)役員の状況、(3)監査の状況、(4)役員報酬等について、株主総会または取締役会で決議予定の事項の記載は不要ということになります。

 ただし、有価証券報告書において、有価証券報告書提出後の定時株主総会または取締役会で決議される役員の異動を任意記載しない場合は、以下の開示手続きが必要になります。

 

 ・臨時報告書の提出(代表取締役の異動)

 ・半期報告書の「役員の状況」の開示