⑤ すぐに使える! IPO規程7選 内部監査規程と作成ポイント
1.「内部監査規程」の作成および運用上のポイント
・子会社の内部監査を実施する場合は、内部監査規程にその旨を記載しておく。
・直前事業年度1年間は、内部監査の実績が必要。
・各部門、各子会社の内部監査は原則、年1回は実施する。
2.「内部監査規程」のサンプル
下記規程サンプルの部門名、責任者は一般的な名称にしてます。
当規程サンプル以外の規程が必要な方は、こちら「IPOのための社内規程集」をご参照ください。
第1章 総 則
第1条(目的)
本規程は、当社における内部監査に関する基本事項を定め、内部監査業務の運営を円滑に進めることを目的とする。
第2条(内部監査の機能)
内部監査は、当社の適切な業務運営に資することを目的とする。
併せて監査役および会計監査人の行う監査の円滑な遂行に寄与することにより、当社の健全な発展に資する。
第3条(内部監査担当部門)
内部監査に関する業務は、社長直轄の組織である内部監査室が担当する。
第4条(内部監査責任者および内部監査担当者)
内部監査責任者(内部監査担当者)は、内部監査室長とする。
2.内部監査責任者(内部監査担当者)は、内部監査の遂行に必要な知識・技能を継続的に研鑽し、その資質の一層の向上に努めるものとする。
3.内部監査責任者(内部監査担当者)は、内部監査実施上必要があると認めた場合は、取締役社長の承認を得て、他部門から臨時に監査担当者を任命することができる。
第5条(内部監査責任者および内部監査担当者の権限)
内部監査責任者(内部監査担当者)は、内部監査を行うにあたり、必要に応じて各種会議に出席し、他部門に対して帳簿、伝票その他の資料の提出を求め、また関係人に対して説明、報告その他の監査上必要な行為を求める権限を有する。
第6条(内部監査責任者および内部監査担当者の遵守事項)
内部監査担当者は、内部監査を行うにあたり、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 内部監査は、すべて事実に基づいて行い、常に公正、普遍な判断および意見の表明を行う。
(2) 内部監査を遂行するうえで知り得た事項を、正当な理由なくして他に漏洩しない。
(3) いかなる場合においても、内部監査を受ける者に対し、業務の処理方法等について直接指揮命令をしない。
第7条(被監査部門の遵守事項)
内部監査が行われている部門の関係者は、当該監査が円滑に行われるよう、当該内部監査担当者に進んで協力しなければならない。
第8条(各部門の長の責務)
各部門の長は、内部監査業務の円滑な遂行と、その実効性を確保するために、次に掲げる義務を負うものとする。
(1) 所管業務について重大な事故、不正、誤謬等の事実が発生したときには、遅滞なくその概要を内部監査室長に報告しなければならない。
(2) 所管部門について内部監査以外の重要な調査、又は業務診断などが行われる場合には、その計画および結果を内部監査室長に通知しなければならない。
(3) 所管業務に関する諸規程、通達など業務運営の基準となるものを定めたとき、又はこれらに改正があったときには、その写しを内部監査室長に送付しなければならない。
(4) 重要な稟議書および報告文書については、事務手続き終了後、内部監査室長に回覧しなければならない。
第9条(定期監査と臨時監査)
内部監査は、その実施様態に応じて「定期監査」と「臨時監査」とに区分する。
2.前項において、「定期監査」とは内部監査計画に基づいて継続的に行われるものをいい、「臨時監査」とは社長の命などにより必要に応じて不定期的・臨時的に行われるものをいう。
第10条(内部監査の種類)
内部監査の種類は、次のとおりとする。
(1) 業務監査:会社の諸業務の合法性、合理性および能率性についての監査
(2) 会計監査:会計処理の正確性、合法性、合理性および能率性についての監査
(3) J-SOX監査:財務諸表に係る内部統制の報告書内容についての最終評価
第11条(他の監査機能との調整、連携)
内部監査の計画の立案および実施に当たっては、監査役および会計監査人が行う監査や、会社の管理部門が行う管理活動との調整を十分行い、各機能の効率的運用を図らなければならない。
第12条(内部監査のプロセス)
内部監査の実施に関する業務のプロセスは、次のとおりとする。
(1) 内部監査計画の策定
(2) 内部監査の実施
(3) 内部監査の報告とフォロー・アップ
(4) 内部監査関係書類の保管
第2章 計画と実施
第13条(内部監査計画)
内部監査室長は、内部監査計画を策定しなければならない。
第14条(内部監査計画書)
内部監査室長は、各事業年度の開始にあたり、当該事業年度にかかる内部監査計画書を作成し、社長の決裁を受けなければならない。
2.基本計画書の記載事項は、次のとおりとする。
(1) 内部監査方針
(2) 内部監査の重点課題
(3) 内部監査対象
(4) 内部監査時期
3.内部監査室長は、事業年度中に内部監査計画に重大な変更の必要が生じたと認められるときは、社長の決裁を受けて、内部監査計画書を変更するものとする。
第15条(事前通知)
内部監査室長は、内部監査を実施するにあたって、原則として被監査部門の長に対して事前通知を行うものとする。この通知は、原則として内部監査通知書をもって行うものとするが、緊急の要がある場合等、通知できない正当な理由があれば、口頭によっても差し支えない。
第16条(内部監査準備)
内部監査担当者は、内部監査を行うにあたっては事前に関係資料を参照して、調査項目に関する問題点およびその手続きの検討を行うものとする。
第17条(内部監査の方法)
内部監査は、その対象に応じて書面監査若しくは実地監査、又は両者の併用その他の方法のうち、適切なものを選択して行うものとする。
2.前項において、「書面監査」は、内部監査室長が内部監査対象部門から提出される書類のみに基づいて内部監査を行うものをいい、「実地監査」とは、内部監査室長が内部監査対象部門に赴いて内部監査を行うものをいう。
第18条(内部監査の実施)
内部監査は、内部監査計画に従い行うものとする。
第19条(内部監査講評会)
内部監査室長は、内部監査の適正を図るために内部監査の全部または一部が終了したときに、内部監査の結果または遂行状況について被監査部門との意見交換を行う機会として、内部監査講評会を開催することができる。
第3章 報告およびフォロー・アップ
第20条(内部監査報告書)
内部監査室長は、内部監査の結果に基づいて内部監査報告書を作成し、社長の決裁を受けなければならない。
2.内部監査報告書には、次の事項を記載する。
(1) 内部監査の概要
(2) 内部監査結果とこれに対する意見
(3) 内部監査室長の署名
(4) その他の必要事項
第21条(検討会)
社長は、内部監査室長より提出された内部監査報告書の内容について、内部監査関係者による検討会を開催することができる。この場合、内部監査室長は、議事録を作成するものとする。
第22条(改善命令)
社長は、決裁を与えた内部監査報告書の内容に基づき、改善のための対策・措置等を講じる必要があると認めたときは、被監査部門および関係各部門の長に対して改善命令を出す。但し、この場合には、改善命令は内部監査室長を通して連絡するものとする。
第23条(改善命令を受けた部門の長の対応)
改善命令を受けた被監査部門および関係各部門の長は、遅滞なく必要な対策・措置等を講じ、その実施状況について書面をもって社長に報告すると共に、その書面の写しを内部監査室長に送付しなければならない。
第24条(フォロー・アップ)
内部監査室長は、被監査部門の内部監査報告書に記載された対応措置の実行状況につき、フォロー・アップ(調査および確認)を行う。
2.内部監査室長は、フォロー・アップの結果について、適宜、社長および監査役(協議会)に報告する。
第4章 内部監査関係書類の保管
第25条(内部監査関係書類の整理および保管)
内部監査室長は、内部監査報告書、内部監査報告書の作成資料を10年間保管しなければならない。
附 則 1.本規程の改廃は、規程管理規程による。
2.本規程は、●年●月●日より施行する。
3.改定 ●年●月●日
内藤克之:プロフィール
IPOコンサルタント。株式会社ドウシシャ(東証プライム市場)勤務、上場準備、経理、財務に従事。上場準備支援の東洋ビジネスコンサルティング株式会社でマネージャーとして数十社の支援を行う。その後、窪田税理士事務所にてIPOコンサルティングに従事、当社設立に参画。支援先には、ベンチャー企業から大企業まであり。今までに延べ100社以上のコンサルティングを行う。IPO支援以外に上場企業の開示実務支援も行っている。
