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Ⅰの部、Ⅱの部のすすめ方

上場申請書類とは、主にⅠの部、Ⅱの部のことをいいます。

上場申請書類は、申請する市場によって異なり、東証のプライム市場およびスタンダード市場は「Ⅰの部」「Ⅱの部」、東証グロース市場は「Ⅰの部」「新規上場申請者に係る各種説明資料」を作成します。また上記以外にも「上場申請のための四半期報告書」などの作成も必要になってきます。

上場申請書類は、Ⅰの部で約100~140ページ、Ⅱの部で約150~230ページ、各種説明資料で約60~80ページの膨大な書類となります。早期に上場を達成するためには、外部専門家(IPOコンサルタント会社)へのアウトソーシングの活用も検討する価値はあるかもしれません。

 

■ 社内で上場申請書類作成する場合

① プロジェクトチームの編成のポイント

・上場準備にあたりプロジェクトチームを編成します。

・プロジェクトチームのメンバーは、主に経理部門、総務部門、経営企画部門、内部監査部門などから参加いただきます。

・プロジェクトチームには事務局を設置し、事務局が全体の進捗管理、外部関係者との窓口を担当します。

 

②Ⅰの部、Ⅱの部の作成のポイント

・株式会社プロネクサス様からⅠの部、Ⅱの部の作成の手引きを入手します。

・事務局は、Ⅰの部、Ⅱの部の各項目に担当部門、担当者を決め進捗管理を行います。

・Ⅰの部の作成はPRONEXUS WORKS(株式会社プロネクサス提供)で作成し、Ⅱの部はWordで作成するのが一般的です。

 

③上場準備経験者の採用のポイント

・上場準備にあたり経験者の採用を検討されると思います。上場準備経験者には、プロジェクトの中心で「上場準備を推進された方」「担当者としてプロジェクトに参加された方」「プロジェクトの外でIPOに少しだけ関わられた方」がいます。

・上記のいずれの方も上場準備経験者となるため、「プロジェクトの外でIPOに少しだけ関わられた方」の採用はおすすめしません。

・上場準備経験者を1名採用したからこれで大丈夫は大間違いです。経験者を1人採用したぐらいでは何も進みません。

 

④Ⅰの部、Ⅱの部の他社事例

・Ⅰの部の他社事例は、東京証券取引所のホームページに掲載されています。

・Ⅱの部の他社事例は、残念ながら見ることはできません。

 

■ 外部専門家(IPOコンサルタント会社)へのアウトソーシング

上場準備は、上場申請書類の作成のみならず、膨大な作業があるため人材不足になる傾向にあります。外部専門家を活用することで人材不足をおぎない、ノウハウの提供を受けることが上場への近道となることもあります。

①アウトソーシングを活用する際のポイント

・人材のリソース不足、書類提出期限までの期間がタイトな場合は、IPOコンサルタント会社の活用も考えられます。

・外部コンサルの選定に当たっては、誰が関与するかが重要なポイントです。

・「会計士が作成するから大丈夫です!」という営業は要注意です。監査法人での上場準備会社への関与経験ではなく、事業会社での上場準備経験の有無を確認するべきです。

・上場準備支援業務はどこに頼んでも同じ品質とは限りません。ベンチャー企業しか支援したことのないコンサル会社は品質に問題がある場合があります。

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