Column

③IPO準備における規程集作成のための3ステップ

Step3-社内規程集の運用-

 

 上場準備の社内規程集は「社内規程集の選定」「社内規程集の整備」「社内規程集の運用」の3ステップで構築します。

 上場審査では、「社内規程集」の運用実績が求められます。

 「社内規程集」は、各部門、各子会社に配布しただけでは、運用できていない場合が大半です。

 そのため、「社内規程集」を配布した後、一定期間をおいて運用がされているかをチェックする必要があります。

 

1.社内規程集の整備・運用チェックは内部監査で行うのが良い

 

 上場準備においては、内部監査のテーマの1つとして、各部門・各子会社の社内規程集の整備・運用状況をチェックをします。

 内部監査の結果、「社内規程集」が誤っていれば修正し、運用の改善が必要であれば各部門、各子会社が対応していくことを繰り返しながら社内規程集の定着を図っていきます。

 

 

2.上場審査における「社内規程集」の失敗事例

 

 過去に社内規程集の運用をいい加減にしたために上場できなかったベンチャー企業の話です。

 

 そのベンチャー企業は「社内規程集」の運用が不十分にもかかわらず、主幹事証券の審査はうまく取りつくろい運よく上場申請できました。

 その後、証券取引所の上場審査で「社内規程集」の運用状況の質問があり、エビデンスの提出を求められました。運が悪いことに提出を求められたエビデンスは残しておらず、その場しのぎでエビデンスを後付けで用意されたようです。

 しかし、そのエビデンスが後付けで用意されたものというのが証券取引所にばれてしまい上場審査はストップ、上場申請を取り下げる結果となりました。

 1つ嘘があるとその他のことが全て正しくできていても信用してもらえないということです。

 

 なぜ、上記の失敗事例をご紹介させていただいたかというと書面だけ取りつくろえば、運用していることにしておけば上場できると思われている会社も少なからずあるからです。

 非上場企業ではルールにしばられることは少なかったと思います。

 それが一転、上場準備をすると守らないといけないルール(社内規程集など)が増え、従業員が面倒だなと感じる事や今までやっていなかった事もする必要があるため、手間が増えたりします。

 そのようなことから各部門、各子会社から「なぜこんな事をしないといけないのか?」という声が聞こえてくることがあります。ついつい「やれる範囲で」とか「やってる事にして」とか言ってしまいそうになるかもしれません。

 しかし、その少しの甘さから上場準備の全てがダメになる可能性があるということです。

 内部監査部門や社内規程集を統括する部門(総務部)は強い意志で「社内規程集」の整備・運用の徹底に努めていただければと思います。

文:内藤克之

IPOコンサルタント:内藤克之

内藤克之:プロフィール

IPOコンサルタント。株式会社ドウシシャ(東証プライム市場)勤務、上場準備、経理、財務に従事。上場準備支援の東洋ビジネスコンサルティング株式会社でマネージャーとして数十社の支援を行う。その後、窪田税理士事務所にてIPOコンサルティングに従事、当社設立に参画。支援先には、ベンチャー企業から大企業まであり。今までに延べ100社以上のコンサルティングを行う。IPO支援以外に上場企業の開示実務支援も行っている。

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