IPOのための社内規程8つのチェックポイントと規程サンプル
1.社内規程8つのチェックポイント
上場審査においては、上場会社として企業の継続性を確保するため、組織的な会社運営が行えているか、また、内部牽制が機能しているか、社内規程集の整備、運用が適切に実施されているかを証券取引所において確認されます。
社内規程を作成されるにあたり具体的なチェックポイントは以下の8項目です。
・業務遂行に関する必要な規程が定められているか
・社内規程に部門間、部門内の相互牽制機能が備わっているか
・主要業務については、規程のほか必要に応じてマニュアル等が作成されているか
・規程・細則・マニュアル等に則った運用がなされているか
・規程の改廃の手続きは機関(取締役会や委員会等)で決定されているか
・主要な子会社の規程は整備されているか
・規程は役職員に周知徹底され、常に閲覧できるようになっているか
・規程の整備・運用を定期的にチェックする機能はあるか
2.IPOのための社内規程集サンプル
上場準備において社内規程を作成する場合、規程のサンプルがあればと考えたことはないでしょうか?
規程のサンプルをネットや本屋で探しても規程管理規程、経理規程、旅費規程といった一般的な規程は見つかるものの、上場準備で求められる適時開示規程、内部統制規程、関連当事者管理規程など多数の規程サンプルを見つけることはできなかったと思います。
当社では上場準備をされている会社様に社内規程集を効率的に作成いただくため、IPO支援ツールとして「IPOのための社内規程集」を提供しています。
ご興味のある方は、こちら「IPOのための社内規程集」をご参照ください。
コラムを読んでいただいた方に「IPOのための社内規程集」から「適時開示規程」のサンプルを公開させていただきます。
適時開示規程
第1章 総則
第1条(目的)
本規程は、有価証券の投資判断に重要な影響を与える当社の業務、運営または業績等に関する重要な情報を、迅速、正確かつ公平に開示することにより、当社株式等の公正な価格形成および円滑な流通の確保並びにインサイダー取引の未然防止を図り、投資者からの信頼を得ることを目的とする。
第2条(適用範囲)
本規程は、子会社を含め、当社のグループ会社すべてに適用する。
第3条(適時開示情報の定義)
本規程の対象となる「情報」とは、子会社を含め、社内会議等による決定事実、社内外における発生事実、決算に関する情報(業績予想に関する情報を含む。)等、証券取引所が要請する適時開示事項のほか、その情報が投資家に対して有益な投資情報となるもの、その他経営戦略上等の観点から当社において重要であると判断されるもの(別表「適時開示情報等 一覧表」に掲げる。)をいう。
第4条(法令の遵守等)
上場有価証券の発行者が行う会社情報の適時開示および証券取引所への書類の提出については、「有価証券上場規程(第4章 上場管理)」および「有価証券上場規程施行規則(第4章 上場管理)」(以下、「適時開示規則」という。)によるものとし、情報の開示に際しては同時に「金融商品取引法」、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等関係諸法令を遵守し、常に投資者の視点に立った迅速、正確かつ公平な会社情報の開示を徹底するなど、誠実な業務遂行に努めなければならない。
第2章 適時開示業務の執行体制
第5条(情報取扱責任者)
情報取扱責任者は全ての適時開示情報および法定開示情報の公表、IRを担当する情報開示の責任者であり、●●部長がその任にあたる。
2.情報取扱責任者は、適時開示業務の執行のほか、役員および従業員に対する周知・啓蒙活動を行い、適時開示に関連する情報収集が網羅的に行われたうえで迅速に適時開示が行えるよう体制整備に努めなければならない。
第6条(適時開示の担当部署)
適時開示に関連する情報は、情報取扱責任者の指導のもと、経営企画室において一元的に管理する。
第7条(決定事実・決算に関する情報収集)
情報取扱責任者は、取締役会での承認事項、その他の重要な決定事実についての情報を継続的に収集しなければならない。
2.各部室長は適時開示に関連する情報収集が網羅的に行われるよう、該当情報について、情報取扱責任者へ迅速かつ正確に報告を行なわなければならない。
第8条(発生事実に関する情報収集)
情報取得者は、入手した情報を迅速かつ正確に所属部門長へ報告しなければならな い。
2.情報取得者から報告を受けた各部門長は速やかに情報取扱責任者または経営企画室へ可能な限り書面にて報告しなければならない。
第9条(情報の分析および判断)
情報取扱責任者は、集約された情報が適時開示規則に照らし、または投資者の視点にたち、開示すべき事項であるかの検討を行わなければならない。
2.上記の検討に際しては、集約された情報が「金融商品取引法」および「企業内容等の開示に関する内閣府令」に照らして開示すべき情報であるか確認しなければならない。
3.発生事実に関する情報開示の判断に際しては、各種の情報に精通した関係部門長に、その事実および重要性の度合いを確認しなければならない。
4.開示情報については、適時開示規則への適合性、適法性、内容および会計数値の正確性等を確認するため、必要に応じて証券取引所、金融庁、弁護士、会計士等の外部専門家に照会または確認を行うものとする。
第10条(開示資料の作成)
開示すべき重要情報については、迅速に開示資料を作成しなければならない。
2.開示資料は、経営企画室がこれを作成し、情報取扱責任者が確認するものとする。
3.開示に係る内容はあらかじめ取引所に説明を行わなければならない。
第11条(開示事項の決定)
情報取扱責任者は、開示すべき事項と判断したものについて、取締役会への報告を 行い、開示内容、方法、時期等について、その決定に従わなければならない。
2.開示に緊急を要する発生事実の場合には、取締役会によらず、情報取扱責任者が代表取締役社長の了承を得ることにより決定(代表取締役社長が不在の場合には情報取扱責任者において決定)できるものとするが、この場合であっても取締役会へは事後報告をしなければならない。
第12条(適時開示の方法)
適時開示の方法については、TDnet(適時開示情報伝達システム)を利用するほか、取締役会で決定された方法に従うものとする。
2.金融商品取引法上の開示が必要なものについてはEDINETでの開示を基本とする。
第3章 適時開示体制の維持
第13条(適時開示体制の維持)
情報取扱責任者は、適時開示体制の適切な運用・維持に努めなければならない。
第14条(適時開示体制の監査)
内部監査室は、業務監査の一環として、適時開示体制が適切に運用されているかを定期的に監査しなければならない。
2.内部監査室は適時開示体制の状況を監査役に報告しなければならない。
附 則 1.本規程の改廃は、規程管理規程による。
2.本規程は、●年●月●日より施行する。
3.改定 ●年●月●日
内藤克之:プロフィール
IPOコンサルタント。株式会社ドウシシャ(東証プライム市場)勤務、上場準備、経理、財務に従事。上場準備支援の東洋ビジネスコンサルティング株式会社でマネージャーとして数十社の支援を行う。その後、窪田税理士事務所にてIPOコンサルティングに従事、当社設立に参画。支援先には、ベンチャー企業から大企業まであり。今までに延べ100社以上のコンサルティングを行う。IPO支援以外に上場企業の開示実務支援も行っている。
